『屋根裏部屋のマリアたち』 テアトル梅田

●スタッフ
監督 フィリップ・ル・ゲ
脚本 フィリップ・ル・ゲ
ジェローム・トネール
撮影 ジャン=クロード・ラリュー
美術 ピエール・フランソワ・ランボッシュ
音楽 ホルヘ・アリアガータ
編集 モニカ・コールマン
字幕 加藤リツ子
●キャスト
ファブリス・ルキーニ (Jean-Louis Joubert)
サンドリーヌ・キベルラン (Suzanne Joubert)
ナタリア・ベルベケ (Maria Gonzalez)

カルメン・マウラ (Concepcion Ramirez)

1962年当時、フランコ軍事独裁が続くスペインから大量の移民がパリに流入し社会問題になっていたという。そんな厳しい状況下で家族に仕送りするためにメイドとして働く健気でたくましいスペイン女性たちに、彼女たちの雇い主であるブルジョワに属するフランス人男性が魅了され、社会的地位や財産では計れない幸せを見出す物語である。自身ブルジョワ階級出身のフィリップ・ル・ゲイ監督が共同脚本も手がけている。主演のファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルランの巧さが光り、可憐さと心の強さを併せ持つマリア役のナタリア・ベルベケは美しく、名優カルメン・マウラがスペイン女優陣のアンサンブルを見事に牽引する。
●解説
1960年代のパリを舞台に、スペイン人メイドとその雇い主の禁断の恋を、陽性なユーモアと心温まるペーソスで綴るラブストーリー。出演は「しあわせの雨傘」のファブリス・ルキーニ、「プレイヤー」のサンドリーヌ・キベルラン、「悪魔のリズム」のナタリア・ベルベケ、「テトロ 過去を殺した男」のカルメン・マウラ。
●あらすじ
1962年、パリ。株式仲介人のジャン=ルイ・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)は、妻シュザンヌ(サンドリーヌ・キベルラン)が雇ったスペイン人メイドのマリア(ナタリア・ベルベケ)を迎え入れる。彼女は、シュベール家と同じアパルトマンの屋根裏部屋で、同郷出身のメイドたちと暮らしていた。軍事政権が支配する故郷を離れ、異国で懸命に働くスペイン人メイドたちに、次第に共感と親しみを寄せるジャン=ルイは、やがて機知に富んだ美しいマリアに魅かれてゆくのだった。しかし、そんな夫の変化に無頓着なシュザンヌは、彼と顧客の未亡人との浮気を疑い、夫を部屋から追い出してしまう。こうしてその夜から、ジャン=ルイはメイドたちと同じ屋根裏で一人暮らしを始めるが、それは彼に今まで味わったことのない自由を満喫させることになる……。
071★★★★