『かぞくのくに』 シネマート心斎橋

●スタッフ
監督 ヤン・ヨンヒ
脚本 ヤン・ヨンヒ
エグゼクティブプロデューサー 河村光庸
企画 河村光庸
プロデューサー 佐藤順子
越川道夫
撮影 戸田義久
美術 丸尾知行
装飾 藤田徹
音楽 岩代太郎
録音 菊池信之
照明 山本浩資
編集 菊井貴繁
衣裳デザイン 宮本まさ江
ヘアメイク 橋本申二
製作担当 金子堅太郎
監督補 菊地健雄
助監督 高杉考宏
●キャスト
安藤サクラ (リエ)
井浦新 (ソンホ)
ヤン・イクチュン (ヤン同志)
http://www.webdice.jp/dice/detail/3587/

京野ことみ (スニ)
大森立嗣 (ホンギ)
村上淳 (ジュノ)
省吾 (チョリ)
塩田貞治 (テジョ)
鈴木晋介
山田真歩
井村空美
吉岡睦雄
玄覺悠子
金守珍
諏訪太朗
宮崎美子 (母)
津嘉山正種 (父)
韓流ブーム以降の現在からは想像もつかないだろうが、ソンホが北朝鮮に渡った70年代には日本でも公然と人種差別が存在し、就職や結婚など未来を奪われた若い人たちが希望を求めて北朝鮮へ渡った。その頃、共産国家は理想の国のように日本で宣伝されていたのだ。“北”の実情が知られるようになった今だからこそ、渡った人たち、そして送り出した人たちの後悔と苦悩が想像できるが、失われたものは大きい。今まで2本のドキュメンタリーを発表してきたヤン・ヨンヒが、自らの体験を基に初めて作り上げたフィクションが本作だ。“あの国”へ戻らなければならない兄を見送るしかない主人公の無念は、そのまま監督の気持ちである事が伝わってくる。
●解説
ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」「愛しきソナ」で自らのルーツや家族を取り巻く状況を描いたヤン・ヨンヒ監督初のフィクション映画。差別や貧困に苦しんでいた在日コリアンが、当時地上の楽園と謳われた北朝鮮へ集団移住した帰国事業。これに参加した兄が病気治療のために25年ぶりに日本へ帰国した家族の情景を映し出す。出演は「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の安藤サクラ、「空気人形」の井浦新、「息もできない」のヤン・イクチュンほか。音楽は「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実」の岩代太郎。2012年第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に公式出品され、C.I.C.A.E.賞『国際アートシアター連盟賞』を受賞。
●あらすじ
1970年代に帰国事業により北朝鮮へと渡った兄。日本との国交が樹立されていないため、ずっと別れ別れになっていた兄。そんな兄・ソンホ(井浦新)が病気治療のために、監視役(ヤン・イクチュン)を同行させての3ヶ月間だけの日本帰国が許された。25年ぶりに帰ってきた兄と生まれたときから自由に育ったリエ(安藤サクラ)、兄を送った両親との家族だんらんは、微妙な空気に包まれていた。兄のかつての級友たちは、奇跡的な再会を喜んでいた。その一方、検査結果はあまり芳しいものではなく、医者から3ヶ月という限られた期間では責任を持って治療することはできないと告げられる。なんとか手立てはないかと奔走するリエたち。そんな中、本国から兄に、明日帰還するよう電話がかかってくる……。
072★★★