上方落語 「第四回 笑福亭鶴志 一人舞台」

たぶん十何年ぶりで生の落語を聴きに、「天満天神繁昌亭」に行ってきたので、ちょっとご紹介を。

17時半開場(17時から整理券の配布)、18時開演。
開口一番は森乃石松で「鉄砲勇助」。
鶴志が演じる一席目と二席目の間に豊来家玉之助というひとの太神楽曲芸がありました。中入りが15分ほであって、トリのネタへ。
終わったのは20時半ごろかな?

以下、鶴志の高座について

●「へっつい盗人」
落語というのは、もともと昔の人がおもしろくこさえてあるものなので、普通にしゃべってもおもしろいものである。というのは上岡龍太郎の言でありますが、ホンマこの噺はおもしろい。最初から最後まで登場人物は喜六と清八のふたりのみ。ボケとツッコミの手本のような噺。
鶴志も大熱演で、笑いすぎて涙がでてきた一席でした。

●「三十石」
「東の旅」の一編。
言葉遊びやしゃれで笑わす部分が多く(さきほどの「へっつい盗人」が<情の笑い>とすれば、こちらは<知の笑い>)ぼくにとっては、どちらかというと苦手な部類の話。(ちなみに<知の笑い>の最たるものが「地獄八景亡者戯」で、上方ではそこそこの噺家はみんなこれを演りたがるが、いまいち好きになれないネタのひとつです。演者のセンスがモロに出るので噺家の好き嫌いを判断する材料とするにはいいかもね。)
ただし、中盤の乗客のひとりの妄想がはじまる「お女中」のくだりは大好き。
終盤の船頭の舟唄も力強くなかなか気持ちよく聴けました。

●「次の御用日」
丁稚を演じさせたら枝雀さんにかなうものはいないと常々思っていますが、鶴志の常吉もこまっつしゃくれていて、なかなかに可愛らしかった。
くり返すことによって生まれる笑いがけっこう好きなもんで、この噺の終盤は大笑い。

総じてマクラもおもしろく(得意の六代目松鶴ネタももちろん登場、正座が苦手なので高座を掘り炬燵型式にしてもらったら何時間でも喋るのにという発言には大笑い)、脂の乗り切った高座を見せてもらい大満足で家路につきました。

次回「第五回 笑福亭鶴志 一人舞台」は9月21日(日)とのこと。
また馳せ参じたいと思っております。