『バンテージ・ポイント』

原題:Vantage Point

監督:ピート・トラヴィス

出演:デニス・クエイド/マシュー・フォックス/フォレスト・ウィッテカー/ウィリアム・ハート/シガーニー・ウィーヴァー

製作:二ール・H・モリッツ
脚本:バリー・L・レヴィ
撮影:アミール・モクリ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2007年/アメリカ/90分

あらすじ
スペイン・サマランカでの演説中にアシュトン米大統領が何者かに狙撃され、さらに演壇が爆破されるテロが起こった。シークレットサービスのバーンズはTV中継車に乗り込み、撮影された映像をチェック。そこに怪しい何かを見つけた。同時刻、サマランカ市警のエンリケは事件の容疑者として拘束されそうになり、サマランカ市街へと逃亡を謀る。アメリカ人旅行者のハワードは、ビデオカメラを片手にそんなエンリケを追いかけ…。

解説
米大統領暗殺・爆破テロ事件の謎を追う、緊迫感あふれるサスペンス・アクション。1つの事件を異なる8人の視点から何度も映すことで、少しずつその全容を明らかにしていく。ある視点では解決しなかった疑問が、他の視点から見ることで解決する――その視点の変更とトリックの種明かしの連続が、非常にテンポよく心地いい。その中で観客は“9人めの視点”として作品へと巻き込まれていくことになる。出演陣はデニス・クエイド、フォレスト・テッカー、シガニー・ウィーバーウィリアム・ハートと渋いキャスティングながら、それぞれ的確にキャラクターを演じている。ドラマ「LOST」で人気のマシュー・フォックスの演技にも注目だ。



いやぁ〜、おもしろかった。予告編を観て想像していたのとはちょっとちがって、去年観た映画でいえば『ボーン・アルティメイタム』みたいな面白さでしょうか・・・

最初、時間を巻き戻すシーンが、ビデオの巻き戻しみたいでちょっと違和感を覚えたものの、何度も繰り返されるうちにあんまり気にならなくなってしまいました。

配役はとっても豪華で、いきなりシガニー・ウィーバー(いやぁ、齢とったね。『エイリアン』以来のファンとしてはちょっとつらかった。『ギャラクシー・クエスト』が懐かしい)、『ライトスタッフ』以後あんまり印象のないデニス・クエイド(でも、オヤジがんばる!)、『アルタード・ステーツ』ではじめてその存在を知って以来、ずっとお気に入りの(おととしの『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でさらに好きになってしまった)ウィリアム・ハート、見れば見るほど鶴瓶に似ているなぁと思わずにはいられないアカデミー俳優のフォレスト・ウィテカー等々・・・
とはいうものの、シークレット・サービス役のマシュー・フォックスのカッコよさとアナ役の少女の可愛らしさがすごく印象的でした。

ネットでいろんなひとのブログを見てみると、人物描写が浅すぎるという意見がけっこうあったけれども、そんなことをしてたらこの映画のもつリズムが損なわれていただろうと思われます。上映時間90分というのがいいのです。映画は長ければ長いほどよい、という考え方もありますが、ぼくにとっての理想の上映時間は90分であります(どんな映画でも90分前後の作品は、それだけで評価が1ポイント上ります)。

また、ラストはどう考えても辻褄があわないとかいう意見も多かったんですが、所詮映画なんてすべてご都合主義なんだから、お話しを終わらせるためには冷酷無比なテロリストもアナちゃんの可愛らしさには勝てなかったと考えたほうが映画的なんじゃないでしょうか・・・

後半のカー・チェイスもすごかったし(ここも『ボーン・アルティメイタム』に似てますね)、やっぱりアメリカ映画大好きです。

スタッフは90分にすべてを詰め込むことを最優先にしてこの映画をつくったのではないかと、またまた邪推しております。