『星の旅人たち』 シネ・リーブル梅田

●スタッフ
監督 エミリオ・エステヴェス
脚本 エミリオ・エステヴェス
製作 エミリオ・エステヴェス
フリオ・フェルナンデス
デヴィッド・アレクザニアン
撮影 フアン・ミゲル・アスピロス
フアン・ミゲル・アスピロス
美術 ビクトル・モレロ
音楽 タイラー・ベイツ
タイラー・ベイツ
編集 ラウル・ダヴロス
衣裳デザイン タチアナ・ヘルナンデス
字幕 寺尾次郎
●キャスト
マーティン・シーン (Tom)
エミリオ・エステヴェス (Daniel)
デボラ=カーラ・アンガー (Sarah)
ヨリック・バン・バーヘニンゲン (Joost
ジェームズ・ネスビット (Jack)
サンティアゴ・デ・コンポステーラを有名な巡礼地にしているのは、目的地の教会そのものより、そこへ至る巡礼路を歩く行為だろう。徒歩で2〜3ヶ月に及ぶ道のりを歩くうち、自分を見つめ、人生を考え直すチャンスが生まれてくるのだろう。映し出されるスペイン北部の風景はとても魅力的だ。実際に歩くのは大変だろうが、映画を見ている2時間、たっぷりと巡礼気分を味わえる。かつては青春スターとして人気があったエミリオ・エステヴェス。最近では俳優よりも監督業に力を入れているようで、本作は監督第5作目となる。本作の主人公トム役のマーティン・シーンは実父であり、映画でもトムの巡礼のきっかけとなる息子ダニエル役を演じている。
●解説
キリスト教三大聖地のひとつ、スペイン北西部サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅の途中で事故死した息子の後を継いだ父親の旅と、道中で知り合った仲間との交流を描く。出演は、「地獄の黙示録」のマーティン・シーン。監督はマーティン・シーンの息子エミリオ・エステヴェス(「ボビー」)が出演も兼ねて担当している。
●あらすじ
カリフォルニア州の眼科医トム・エイヴリー(マーティン・シーン)のもとに、ある時、一人息子ダニエル(エミリオ・エステヴェス)の訃報が届く。“世界を見たい”と旅立ったスペイン北西部サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の途中で、不慮の死を遂げたのだ。父子の関係は、決して良好なものではなかった。ダニエルは何を想い、巡礼の旅に出たのか……。一人息子の遺灰をリュックに収めたトムは、ダニエルが志半ばで倒れた旅を継ぐことを決意。しかし、800 キロに及ぶ長旅は、60 歳を超える老体にとって容易なものではなかった。旅の途上、トムが最初に出会ったのは、減量のため巡礼の旅に出た人懐こいオランダ人のヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)。成り行きから2人は旅の同伴者となるが、トムが息子の遺灰を撒いていることを知り、ヨストは衝撃を受ける。次に宿泊所で出会ったのは、カナダ人女性のサラ(デボラ・カーラ・アンガー)。ヘビースモーカーで厭世的な彼女は、トムに対しても理不尽な怒りを表す。イラーチェへと向かう草むらで出会ったアイルランド人のジャック(ジェームズ・ネスビット)は、スランプに陥った旅行ライター。トムが息子の遺灰とともに旅していることをヨストから聞いた彼が、それをサラに話すと、サラも自分自身の過去をトムに打ち明ける。かつて夫からDVの被害を受けていたこと、離婚して赤ん坊だった娘を手放したこと……。その日、ランチでワインを飲んだトムは、他の3人に悪態をついた挙句、昏倒して警察の厄介になってしまう。その窮地を救ったのは、3人の仲間たちだった。保釈金を肩代わりしてくれたジャックに、トムは自分の旅の目的と息子ダニエルのことを話し始める。こうして4 人が家族のような親密な絆で結ばれた矢先、トムのリュックが少年に盗まれてしまう。遺灰を失い、旅の目的を見失ったトムは、巡礼を続けることができるのか……?
057★★★★☆