『遠い山なみの光』 カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫


故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。
戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。
あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。
だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。
淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。
王立文学協会賞受賞作。
031★★★★三読♪