『ルート・アイリッシュ』 シネ・リーブル梅田

●スタッフ
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァティ
製作総指揮 パスカル・コーシュトゥー
ヴァンサン・マラヴァル
製作 レベッカ・オブライエン
撮影 クリス・メンゲス
プロダクション・デザイン ファーガス・クレッグ
音楽 ジョージ・フェントン
録音 レイ・ベケット
編集 ジョナサン・モリス
衣裳デザイン サラ・ライアン
キャスティング カーリーン・クロフォード
ライン・プロデューサー ティム・コール
助監督 デヴィッド・ギルクライスト
マイケル・クイーン
●キャスト
マーク・ウォーマック (Fergus)
アンドレア・ロウ (Rachel)

ジョン・ビショップ (Frankie)
ジョフ・ベル (Walker)
ジャック・フォーチュン (Haynes)
タリブ・ラソール (Harim)
クレイグ・ランドバーグ (Craig)
トレヴァ−・ウィリアムズ (Nelson)
ラッセル・アンダーソン
ジェイミー・ミッチー (Jamie)
ブラッドレイ・トンプソン
ダニエル・フォイ
ナイワ・ニムリ (Marisol
マギー・サウザー
R デヴィッド
アンソニーシューマッハー (Andy)
ゲイリー・カーギル
ドナ・エルソン
ティーヴン・ロード (Steve)
ジェイムス・ロック
イギリスの名匠ケン・ローチ監督が、“ルート・アイリッシュ”と呼ばれる、テロの標的になりやすい実在の危険な道路を題材に、イラク戦争の実態を描いた社会派ドラマ。死亡した親友の死因解明に乗り出した主人公の姿を通して、高額報酬を背景にした戦争“業務”の民間委託とコントラクター(民間兵)の増加により非人道的な行為が多発したイラク戦争の闇に迫る骨太のストーリーだ。ケン・ローチの盟友ともいうべきレベッカ・オブライエンが製作、ポール・ラヴァーティが脚本を担当。ローチ作品としては珍しく、スリラーやアクション映画の要素も盛り込み、スリリングな謎解きのドラマが展開するところは新境地と言えよう。
●解説
麦の穂をゆらす風」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したケン・ローチ監督が、イラク戦争で戦死した友人の死の真相を探る男の姿を通じて、戦争の後遺症を抱えながら生きる人々の姿をスリリングに描く。出演は「アンダー・ザ・スキン」のマーク・ウォーマック、『主任警部アラン・バンクス』のアンドレア・ロウ。
●あらすじ
2007年、リバプールの教会。イラクで戦死した兵士フランキー(ジョン・ビショップ)の葬儀が行われていた。参列したファーガス(マーク・ウォーマック)は、戦死した当日、電話に“大事な話がある”という親友フランキーからのメッセージを受けながら、それに答えることができなかった。関係者の話によるとフランキーは、イラクで最も危険なエリア“ルート・アイリッシュ”にいるときに車が炎上し、帰らぬ人になったという。しかし、その説明に納得できないファーガスとともに、残されたフランキーの妻、レイチェル(アンドレア・ロウ)も衝撃を受けていた。葬儀の場で、知人のマリソル(ナイワ・ニムリ)から、フランキーの残した手紙と携帯電話を受け取ったファーガスは、携帯電話に保存されていた画像の言語の翻訳を、イラク出身のミュージシャン、ハリム(タリブ・ラソール)に依頼。そこに映っていたのは、罪のない2人の少年が銃殺される様子だった。撃ったのはイラクにいる兵士ネルソン(トレヴァー・ウィリアムズ)。その場にいたフランキーは激怒していた。それを見たファーガスはフランキーの死に対して不信を抱く。フランキーをイラク戦争に誘ったのは彼だったが、身分は国家の軍隊が派遣した兵士ではなく、戦争をビジネスにする企業が大金と引き換えに派遣したコントラクター(=民間兵)だった。しかし、タフなファーガスとは違い、性格の優しいフランキーは、戦場で精神を崩壊させていったのだった。協力して事件の真相を追ううちに、次第に惹かれ合うようになるファーガスとレイチェル。しかし、彼女との関係には背を向け、ファーガスはひたすらに事件の真相を追う。そして見えてきたのは、軍事企業の秘密。その一方で、事件の証拠となる携帯電話を狙ってレイチェルの家に何者かが押し入り、ハリムは暴行を受ける。やがて、フランキーの死の真相が明らかになってゆく……。
040★★★★