『フラメンコ・フラメンコ』 梅田ガーデンシネマ

●スタッフ
監督 カルロス・サウラ
脚本 カルロス・サウラ
製作総指揮 カルロス・サウラ・メドラーノ
製作 フアン・ヘスス・カバジェーロ
ハビエル・サンチェス・ガルシア
撮影監督 ヴィットリオ・ストラーロ
美術 ラウラ・マルティネス
音楽 イシドロ・ムニョス
音響効果 ホルヘ・マリン
衣裳デザイン エキーポ・アウステン・フニオール
メイク カロリーナ・マデラ
ヘアメイク ヨランダ・ピニャ
スチール フェデリコ・C・グティエレス
字幕 渡部美貴
字幕監修 有本紀明
●キャスト
サラ・バラス
パコ・デ・ルシア
ノロ・サンルーカル
ホセ・メルセー
ミゲル・ポヴェダ
エストレージャ・モレンテ
イスラエル・ガルバン
エバ・ジェルバブエナ
ファルキート
ニーニャ・パストーリ
血と魂と情熱。スクリーンからほとばしるのはフラメンコの神髄だ。オープニングからエンドクレジットまで一切の解説も無駄な演出もそぎ落とした究極のフラメンコ映画である。スペイン映画界の巨匠カルロス・サウラは、これまでにもアントニオ・ガデスやクリスティーナ・オヨスといったスターと共に『血の婚礼』『カルメン』などのドラマチックで前衛的な傑作を放って賞賛を集めてきた。その集大成的なドキュメンタリー作品が1995年の『フラメンコ』だった。本作は同じテーマをさらに進化させ、フラメンコの伝統と未来を映し出す新たなる傑作だ。撮影監督は“光りの魔術師”ヴィットリオ・ストローラ。名コンビぶりが今回も冴え渡る。
●解説
「カラスの飼育」の巨匠カルロス・サウラ監督と「ラストエンペラー」撮影監督のヴィットリオ・ストラーロがタッグを組んだ、フラメンコの神髄に迫るドキュメンタリー。多彩なフラメンコの曲種を用いて、“生命の旅と光”を描き出す。出演は、「イベリア 魂のフラメンコ」のサラ・バラス、「カルメン」のパコ・デ・ルシア
●あらすじ
スペイン・アンダルシア地方に伝わる民俗芸術であるフラメンコは、歌<カンテ>、踊り<バイレ>、ギター<フラメンコギター>の伴奏が主体となっている。そのダイナミックで情熱的な世界は、日本をはじめ、世界中の人々を魅了し続けている。パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカル、ホセ・メルセーら、フラメンコ界の“神”と称されるマエストロたちが、サラ・バラス、エストレージャ・モレンテ、ミゲル・ポベダ、イスラエル・ガルバン、エバ・ジェルバブエナ、ファルキート、ニーニャ・パストーリなどの新世代の豪華アーティストたちと出会い、華麗なフラメンコの世界を体現する。本作はフラメンコを通して、“生命の旅と光”を描いていく。生命の旅とは、音楽に乗って人間の一生を巡ることである。人の誕生から晩年、そして蘇生までを、多彩なフラメンコのパロ(曲種)を用いて、全21幕の構成で描く。誕生<アンダルシアの素朴な子守歌>、幼少期<アンダルシア、パキスタンの音楽とそれが融合した音楽>、思春期<より成熟したパロ>、成人期<重厚なカンテ>、死期<奥深く、純粋で清浄な感情>から、希望に満ちた再生へとつなげ、命の蘇りを期待させる。そしてこの“人生の旅”を、“光の魔術師”と称される撮影監督、ヴィットリオ・ストラーロが幻想的な光で照らし出し、独創的なセッションを繰り広げる。
036★★★★☆