『星のあひびき』 丸谷才一 集英社

戦争の世紀20世紀を眺望し、モーツァルトと『源氏物語』を評価した名誉をたたえる。
村上春樹訳のチャンドラーから井上ひさしまで、バルガス=リョサからカズオ・イシグロまでの傑作を推奨する。
『坊つちやん』を大胆に解釈し、仔犬を抱いて笑う少年特攻兵の写真に泪する。
ゴシップ・ユーモア・奇想・新説がたっぷり。
高級で愉しい快楽の書。

1 評論的気分(昭和が発見したもの;わたしと小説 ほか)
2 書評35本(ハードボイルドから社交界小説へ;クンデラ絶讃のフランス18世紀小説 ほか)
3 随筆的気分(わたしたちの歌仙;「新聞言葉」の恥しい表現 ほか)
4 推薦および追悼(民族の本音;中華大帝国の首都よりも ほか)
5 解説する(「コレオグラフィ」といふ言葉のことから;まぼろし電話 ほか)
008★★★書評で気になったものは以下の通り。●船曳由美 100年前の女の子 講談社 ●リック・ゲコスキー トルーキンのガウン 早川書房 ●浜美雪 師匠噺 河出書房新社 ●スティーグ・ラーソン ミレニアム 早川書房 ●持田叙子 荷風へ、ようこそ 慶応義塾大学出版会