『ヒミズ』 TOHOシネマズなんば本館

●スタッフ
監督 園子温
アクション監督 坂口拓
脚本 園子温
原作 古谷実
エグゼクティブプロデューサー 小竹里美
製作 依田巽
プロデューサー 梅川治男
山崎雅史
撮影 谷川創平
美術 松塚隆史
音楽 原田智英
録音 深田晃
音響効果 斎藤昌利
照明 金子康博
編集 伊藤潤一
衣裳/スタイリスト 村上利香
ヘアメイク 本田真理子
ライン・プロデューサー 鈴木剛
助監督 木ノ本
メイキング 船木光
●キャスト(役名)
染谷将太 (住田祐一)
二階堂ふみ (茶沢景子)
渡辺哲 (夜野正造)
吹越満田村圭太)
神楽坂恵田村圭子)
光石研 (住田の父)
渡辺真紀子 (住田の母)
黒沢あすか (茶沢の母)
でんでん (金子)
村上淳 (谷村)
窪塚洋介 (テル彦)
吉高由里子 (ミキ)
西島隆弘 (YOU)
鈴木杏 (ウエイトレス)
諏訪太朗 (まーくん)
川屋せっちん (藤本健吉)
モト冬樹 (てつ)
堀部圭亮 (茶沢の父)
行け!稲中卓球部」で人気を獲得した漫画家・古谷実が、“ヤングマガジン”で連載していた問題作を、『冷たい熱帯魚』『恋の罪』と野心作を連作する園子温監督が映画化。主人公を演じる染谷将太二階堂ふみという、きら星のごとく現れたふたつの新星が、思春期の若者たちが抱える衝動がぶつかり合う熱演を見せ、第68回ヴェネチア国際映画祭では最優秀新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞のW受賞を果たした。そんな新しい才能の誕生に注目して観たい。若い二人の周りを固めるのは過去の園子温作品で印象深い役柄を演じたひと癖もふた癖もある俳優たち。そんな彼らの演技のアンサンブルを楽しむのも一興だ。
●解説
冷たい熱帯魚」の園子温監督が漫画家・古谷実(『行け!稲中卓球部』)の問題作を映画化。家庭環境に恵まれない少年と愛に飢えた少女、2人の中学生の青春を切れ味鋭い独自のタッチで描く。主演の染谷将太(「東京公園」)と二階堂ふみ(「指輪をはめたい」)は、本作でヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。
●あらすじ
住田佑一(染谷将太)、15歳。彼の願いは“普通”の大人になること。大きな夢を持たず、ただ誰にも迷惑をかけずに生きたいと考える住田は、実家の貸ボート屋に集う、震災で家を失くした大人たちと平凡な日常を送っていた。茶沢景子(二階堂ふみ)、15歳。夢は、愛する人と守り守られ生きること。他のクラスメートとは違い、大人びた雰囲気を持つ住田に恋い焦がれる彼女は、彼に猛アタックをかける。疎ましがられながらも住田との距離を縮めていけることに日々喜びを感じる茶沢。しかし、そんな2人の日常は、ある日を境に思いもよらない方向に転がり始めていく。借金を作り、蒸発していた住田の父(光石研)が戻ってきたのだ。金の無心をしながら、住田を激しく殴りつける父親。さらに、母親(渡辺真起子)もほどなく中年男と駆け落ち。住田は中学3年生にして天涯孤独の身となる。そんな住田を必死で励ます茶沢。そして、彼女の気持ちが徐々に住田の心を解きほぐしつつあるとき、“事件”は起こった……。“普通”の人生を全うすることを諦めた住田は、その日からの人生を“オマケ人生”と名付け、その目的を世の中の害悪となる“悪党”を見つけ出し、自らの手で殺すことと定める。夢と希望を諦め、深い暗闇を歩き出した少年と、ただ愛だけを信じ続ける少女。2人は、巨大な絶望を乗り越え、再び希望という名の光を見つけることができるのだろうか……。
008★★★☆園子温にしては珍しく希望の持てる終わり方…