『ぼくの大切なともだち』

原題/英題:Mon Meilleur Ami/My Best Friend

監督:パトリス・ルコント

出演:ダニエル・オートゥイユ/ダニー・ブーン/ジュリー・ガイエ/ジュリー・デュラン/ジャック・マトゥ /マリー・ピエ/エリザベット・ブルギヌ/アンリ・ガルサン/ジャック・スピセール

脚本:ジェローム・トネール/パトリス・ルコント
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
美術:イヴァン・モシオン
衣装:アニー・ぺリエ
配給:ワイズポリシー

2006年/フランス/96分/カラー/35mm/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD・DTS

あらすじ
フランソワは、自分の誕生日のディナーに集まった全員から「お前の葬式には誰も来ない」と言われ、ショックを受ける。そして反論するうちに、「10日以内に親友を連れてくる」という賭けをする事に。早速、友人たちにコンタクトを取るフランソワだが、そこで誰も彼を親友だとは思っていない事を思い知る。そんな時、タクシー運転手ブリュノの親しみやすさを目にしたフランソワは、彼に人と仲良くなるコツを学ぶ事にするが…。

解説
主人公は、仕事は成功し、お金にも困っていないし、情事を楽しむ愛人もいる中年の美術商。しかし自分が思っていただけで、誰も自分を友人だとは思っていなかった事を知る。その美術商が友人になろうとする人のいいタクシー運転手もまた、見かけとは裏腹に心に孤独を抱えていた。二人は「本当の友情」を築く事ができるかと、二人の失敗に笑いながらも、次第にドラマに引き込まれていく。クライマックスでハラハラしてしまうのは、フランスの名匠ルコントの演出のうまさだろう。『タンデム』『列車に乗った男』に続く、中年男の友情を描いた作品だ。「愛は金で買えるが、友情は決して買えない」というセリフが、見たものの胸を刺すだろう。



これはひさびさ万人におススメできる、コメディタッチのしみじみとしたフランス映画。

何度も予告編を観たんですが、そのたびに、そういえばオレにも本当の友達っていないよなぁ〜、と身につまされることしきり(確かに仕事仲間っていうのは友達とは違うよね)。

主人公のふたり、ダニエル・オートゥイユダニー・ブーンがとってもうまくて感心しました。

予告編を観ているときには、これは友達をつくるのが下手な人間が、友達のいっぱいいる人間から、友達の作り方を指南してもらう映画なんだと勝手に想像していたんですが、じつはふたりとも友達がいないってところがミソでして・・・

あんまり書くとネタバレになっちゃうので書きませんが、最後のフランソワの共同経営者カトリーヌのセリフで個人的には救われたというかなんというか・・・

なかなかの佳作だと思います(フランスの「みのもんた」を見れるというオマケつき)。