「血と暴力の国」と『ノーカントリー』

今年観た映画でもっとも印象に残っている『ノーカントリー』。
最後に保安官が夢の話を語るシーンで唐突に終わったという点だけが腑に落ちなかったので、原作も読んでみました。
なるほど、原作はこういう構成になっていて、やっぱり主人公は保安官だったんですね。
というわけで映画のほうも、もう一度観に行ってきました。
再見して、かなり原作に忠実な映画づくりをしているなあと感心しましたが、保安官が叔父さんに語り始める「戦争の英雄」についての話から以降が省略されているので、唐突な感じがしたんでしょうね。
映画的には、ああいう展開で充分おもしろかったんですが、原作とくらべてひとつ残念だったのは、モスがヒッチハイクの女の子をひろってエル・パソへ行くくだりがなっかたところでしょうか。モスと女の子との会話が抜群によかったので、その点はちょっとがっかり。
とはいえ、けっして原作に力負けしていないこの映画もたいしたものだと、あらためて思いなおした次第です。