『地上5センチの恋心』
原題:ODETTE TOULEMONDE
監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:カトリーヌ・フロ/アルベール・デュポンテル/ジャック・ウェベール/アラン・ドゥテー/カミーユ・ジャビー /ファブリス・ミュルジア/ニナ・ドレック/ローランス・ダムリオ/ジャクリーヌ・ピール
プロデューサー:ガスペール・ド・シャヴァニャック
撮影:カルロ・ヴァリーニ
美術:フランソワ・ショヴォー
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
衣装:コリーヌ・ジョリー
配給:クレストインターナショナル/ヘキサゴン・ピクチャーズ
2006年/フランス・ベルギー/100分/カラー/35mm/シネマスコープ/ドルビーデジタル/DTS
あらすじ
何かあればすぐにジョセフィン・ベイカーの曲を歌いながら踊りだし、いつでも地上から少し浮いているような主婦オデット(カトリーヌ・フロ)。ささいな事から幸せを見付ける天才だ。美容師の息子と生意気盛りの娘と一緒に住む彼女は、昼はデパートの化粧品売り場で働いて、夜はせっせと羽根飾りの内職に励む。そして寝る前にはお気に入りの作家バルタザール・バルザン(アルベール・デュポンテル)の本を読むのがなによりの楽しみだ。バルタザールは、ベタベタのラブロマンス作家だが、オデットにとっては憧れの存在。彼の本は、たちまちオデットを夢の世界へいざなってくれる。
ある日、彼に感謝の気持ちを伝えたいとファンレターを渡すことに成功!一方のバルタザールは最新刊が酷評され、挙句妻がその評論家と浮気している事を知る。そんな時、オデットのファンレターを読み…。
解説
ヒロインはオバサンである。働き者で前向きで正直なこのオバサンは、少女のようなピュアな恋心の持ち主でもあり、文字通り舞い上がる。たとえ教養もなく悪趣味だとしても、好きなものは好きを貫くオデットは、自分で稼いでたくましく生活し、さらに人生を楽しむ術を心得て、それを日々実践しているのだ。演じるのは『女はみんな生きている』のカトリーヌ・フロ。こういうチャーミングな大人の女性を演じさせたら彼女の右に出る者はない。『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』の原作者兼脚本家の作家エリック=エマニュエル・シュミットは初の監督作品で、幸せの何たるかをロマンチックかつユーモラスに描いて楽しませてくれる。
オデット役のカトリーヌ・フロがホント、オバさんなんだけれども抜群にいい。ファンになってしまいました。「運命の人」としか男女の関係にならないというのも泣かせます。
俳優陣もみんないいのですが、オデットの娘役だけちょっと疑問。
バルタザールの息子はいったいどっちの家で暮らすのだろうか?
フランスで大ヒットしたらしいので、アメリカでリメイクもありかも。10年前なら、ダイアン・ウィーストあたりがはまり役のような気がします。