『最強のふたり』 TOHOシネマズなんば・本館

●スタッフ
監督 エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
脚本 エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
プロデューサー ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ
ヤン・ゼヌー
ローラン・ゼイトゥン
撮影 マチュー・ヴァドピエ
音楽 ルドヴィコ・エイナウディ
編集 ドリアン・リガル=アンス
●キャスト
フランソワ・クリュゼ (Philippe)
オマール・シー (Driss)
アンヌ・ル・ニ (Yvonne)
オドレイ・フルーロ (Magalie)

クロティルド・モレ (Marcelle)
グレゴア・オスターマン (Antoine)
フランスで公開されるや歴代興収記録第3位という大ヒット。フランス国民の3人に1人が観たばかりか、ヨーロッパ各国でもNo.1ヒットを飛ばし、ハリウッドがリメイク権も獲得した話題の本作。主人公は体が麻痺して車椅子生活を送る大富豪と、スラム出身の黒人青年。クラシック音楽を愛し、現代美術に造詣が深い富豪と、アース・ウインド&ファイヤーが好きで会話も下ネタが多い青年。歳も趣味も性格も、育ってきた環境もまったく違う2人だからこそ、利害関係のない人間同士の友情が生まれたのだ。しっとりとした人情ものではなく、さらっとしたコメディタッチで描いたのは正解で、後味もいいさわやかな作品となっている。
●解説
首から下が麻痺した大富豪と、彼を介護するスラムの黒人青年。ふたりの友情を描く実話に基づいたヒューマンドラマ。監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュ。出演は「PARIS(パリ)」のフランソワ・クリュゼ、「ミックマック」のオマール・シー。
●あらすじ
ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス(オマール・シー)。もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。何もかもが正反対のふたりが、パラグライダーの事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てというフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ──だが、ふたりとも偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。そんなある日、心配してドリスの経歴を調べた親戚が、宝石強盗で半年服役した前科者だから気をつけるようにとフィリップに忠告する。しかしフィリップは、「彼は私に同情していない。そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」と、毅然と答えるのだった。フィリップを車の荷台に乗せるのを「馬みたいだ」と嫌がって助手席に座らせたり、早朝に発作を起こした彼を街へ連れ出して落ち着くまで何時間も付き合ったり、意外にもドリスには自然な思いやりや優しさがあった。だが別れは突然やってくる。ヘマをして仲間にシメられたドリスの弟が、ドリスのもとに逃げ込んで来たのだ。家族のことを真剣に思うドリスを見たフィリップは、「やめにしよう。これは君の一生の仕事じゃない」と提案する。翌朝、名残を惜しむ邸の人々に、陽気に別れを告げるドリス。フィリップは真っ当な介護者を雇い、ドリスは運転手の仕事を見つける。ドリスは自分の人生を始めるが、フィリップは再び孤独に陥っていた。そしてドリスは突然真夜中に呼び出される。いったいフィリップに何があったのか……。
078★★★★☆