『ローマ法王の休日』 大阪ステーションシティシネマ

●スタッフ
監督 ナンニ・モレッティ
脚本 ナンニ・モレッティ
フランチェスコ・ピッコロ
フェデリカ・ポントレモーリ
製作 ナンニ・モレッティ
ドメニコ・プロカッチ
撮影 アレッサンドロ・ペシ
美術 パオラ・ビッザッリ
音楽 フランコ・ピエルサンティ
編集 エズメラルダ・カラブリア
衣裳デザイン リーナ・ネルリ・タヴィアーニ
●キャスト
ミシェル・ピッコリ (Il papa)

イェジー・スツール (Il portavoce)
レナート・スカルパ (Cardinal Gregori)

ナンニ・モレッティ (Lo psicoanalista)
イタリアのウディ・アレンとの異名をとるナンニ・モレッティ監督が、脚本、演出、出演の3役をこなした本作は、ヴァチカンで開催される法王選挙を題材に、望まないまま法王の座に就く事になったひとりの枢機卿の、その重圧に耐えかねて起こした逃亡劇を描いたユニークなハートフル・コメディーだ。街の人々との交流を通して信仰心や法王の存在意義を見つめ直していく主人公を演じるのは、フランス映画界の重鎮ミシェル・ピッコリ。哀愁を漂わせつつもチャーミングに、気弱な新法王という役柄に生命を与えている。法王選挙(コンクラーヴェ)やそれを報じる過熱報道など、ヴァチカンの様子が垣間見えるのも興味深い。
●解説
選出されたくないという願いもむなしく選ばれてしまった新しいローマ法王が、大観衆へ向けた就任演説直前にローマの街に逃げ出すハートウォーミングなコメディ。監督・脚本は「息子の部屋」でカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルム・ドールを獲得したナンニ・モレッティ。本作に出演もしている。「昼顔」「ここに幸あり」などで知られるフランスの名優ミシェル・ピッコリが、逃げた先のローマで街の人々や彼らの真心などに触れて自らの存在意義を見出していく新法王をチャーミングに演じる。他、「アマチュア」のイエルジー・スチュエル、「イル・ポスティーノ」のレナート・スカルパらが出演。第64回カンヌ国際映画祭正式出品作品。
●あらすじ
ローマ法王の訃報に接し、新しい法王を選出するために各国からヴァチカンへ枢機卿たちが招集される。システィーナ礼拝堂で投票が行われるが、枢機卿たちは心の内では重責を担う法王に選ばれたくないと一様に思っていた。投票の結果、メルヴィルミシェル・ピッコリ)が選出される。すでに聖ペドロ広場には新しい法王の就任を祝いにきた人々で溢れかえっていた。就任の演説が控えていたが、メルヴィルは重圧から逃げ出してしまう。新法王が行方不明になったのを知った事務局広報は、そのことが公にならないよう画策し、街中を捜索する。一方ローマの街に逃げ込んだメルヴィルは、市井の人々と触れ合ううちに、人生における大切なものや信仰心、なぜ法王が必要なのかなどを見つめ直していく。
074★★★