『ベルフラワー』 テアトル梅田

●スタッフ
監督 エヴァン・グローデル
脚本 エヴァン・グローデル
製作 エヴァン・グローデル
編集 エヴァン・グローデル
●キャスト
エヴァン・グローデル (Woodrow)
ジェシー・ワイズマン (Milly)
タイラー・ドーソン (Aiden)
レベッカ・ブランデス (Courtney)

ヴィンセント・グラショー (Mike)
一見、激しいバイオレンス映画かと思うが、実際は現実世界には居場所のない二人の男の片方が、恋をして裏切られて傷つくという、シンプルな話。主人公は大人だが、その心の中もやる事も中高校生と変わらない。仕事もせずに『マッドマックス2』の世界を夢見て、火炎放射器や改造車作りに精を出しているのだから。とはいえ「失恋から火炎放射器を手にした主人公が繰り広げるバイオレンス」になるのかと思えば、そういう風にもなれない。結局は、男は空想の中でしか鬱憤を晴らせない。それが現実だ。ただし、見た目は平凡な人間でも、心の中にはそれぞれの火炎放射器を持っているという事。それが悲しいほど伝わってくる作品だ。
●解説
世界滅亡を夢見る若者たちの友情、愛と憎しみを幻覚的なヴィジュアルとサウンドを駆使して描く異色の青春映画。米インディペンデント映画界の新鋭エヴァン・グローデルが製作・監督・脚本・編集・主演をこなし、自ら体験した究極の孤独と絶望をスクリーンに叩きつける。共演は『マーダー・フィルム』のレベッカ・ブランデスほか。
●あらすじ
マッドマックス2」の世界を愛し、悪の首領ヒューマンガスに憧れる親友同士のウッドロー(エヴァン・グローデル)とエイデン(タイラー・ドーソン)。働く気もない二人は、日々プロパン爆破実験や火炎放射器の破壊力追求に明け暮れ、滅亡後の世界を支配する未來を夢見ていた。そんなある晩、ウッドローはミリー(ジェシー・ワイズマン)という女と出会い、思いがけなくも激しい恋に落ちる。しかし彼女の裏切りを知ったウッドローは、怒りと絶望から正気を失い、火炎放射器を手に狂おしい妄想の世界へと突き進んでいく……。
061★★☆