『アーティスト』 TOHOシネマズなんば・本館

●スタッフ
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
脚本 ミシェル・アザナヴィシウス
製作 トマ・ラングマン
撮影 ギヨーム・シフマン
美術 ローレンス・ベネット
音楽 ルドヴィック・ブールス
編集 ミシェル・アザナヴィシウス
アン=ソフィー・ビオン
衣裳デザイン マーク・ブリッジス
●キャスト
ジャン・デュジャルダン (George Valentin)
ベレニス・ベジョ (Peppy Miller)

ジョン・グッドマン (Al Zimmer)
ジェームズ・クロムウェル (Clifton)
ペネロープ・アン・ミラー (Doris)
ミッシー・パイル (Constance)
ベス・グラント (Peppy's Maid)
ジョエル・マーレイ (Policeman Fire)
マルコム・マクダウェル (The Butler)
エド・ローター (The Butler)
ケン・ダビティアン (Pawnbroker)
第84回アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、監督賞など5部門を受賞。フランス人監督とフランス人による主演、しかもモノクロでサイレント(無声映画)。そんなハンディをものともしない受賞結果は、セリフや音響効果に頼らなくても、素晴らしい映画ができるという“証(あかし)”でもある。サイレント映画が作品賞を受賞するのは、第1回アカデミー賞以来83年ぶり。ストーリーはごくシンプルながら、感情を表情や動きで表現するサイレント映画の手法が、現代では逆に新鮮に見えるから不思議だ。主演の2人が実に魅力的で、戦前のハリウッドスターを演じながらも、現代アメリカ人俳優には出せない味をよく出している。
解説
1920年代、映画がサイレントからトーキーへと移行する時期のハリウッドを舞台に、サイレントの大スターとトーキーの新進女優の恋物語を情感豊かに描くモノクロサイレント映画。出演は、本作でカンヌ国際映画祭男優賞受賞のジャン・デュジャルダン(「ブルー・レクイエム」)、「ブラウン夫人のひめごと」のベレニス・ベジョ
あらすじ
1927年、サイレント映画全盛のハリウッド。大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、共演した愛犬とともに新作の舞台挨拶で拍手喝采を浴びていた。熱狂する観客たちで映画館前は大混乱となり、若い女性ファンがジョージを突き飛ばしてしまう。それでも優しく微笑むジョージに感激した彼女は、大胆にも憧れの大スターの頬にキス。その瞬間を捉えた写真は、翌日の新聞の一面を飾る。写真の彼女の名前はペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)、未来のスターを目指す新人女優だった。映画会社キノグラフでオーディションを受けた彼女は、愛らしい笑顔とキュートなダンスで、ジョージ主演作のエキストラ役を獲得。撮影後、楽屋を訪ねてきたペピーに、ジョージは“女優を目指すのなら、目立つ特徴がないと”と、アイライナーで唇の上にほくろを描く。その日を境に、ペピーの快進撃が始まる。踊り子、メイド、名前のある役、そして遂にヒロインに。1929年、セリフのあるトーキー映画が登場すると、過去の栄光に固執し、“サイレント映画こそ芸術”と主張するジョージは、キノグラフ社の社長(ジョン・グッドマン)と決別する。しかし数か月後、自ら初監督と主演を務めたサイレント映画は大コケ。心を閉ざしたジョージは、心配して訪ねてきたペピーすら追い返してしまう。それから1年。今やペピーはトーキー映画の新進スターとして人気を獲得していた。一方、妻に追い出されたジョージは、運転手クリフトン(ジェームズ・クロムウェル)すら雇えなくなり、オークションで想い出の品々を売り払う。執事にその全てを買い取らせたペピーは、ジョージの孤独な背中に涙を流す。酒に溺れるジョージは自分に絶望し、唯一の財産であるフィルムに放火。愛犬の活躍で救出されたジョージの元へ駆けつけたのは、変わらぬ愛を抱くペピーだった。“銀幕のスター”ジョージを復活させる名案を携えて……。
039★★★★