『サラの鍵』 シネ・リーブル梅田

●スタッフ
監督 ジル・パケ=ブレネール
脚本 ジル・パケ=ブレネール
セルジュ・ジョンクール
原作 タチアナ・ド・ロネ
撮影 パスカル・リダオ
音楽 マックス・リヒター
●キャスト(役名)
クリスティン・スコット・トーマス (Julia Jarmond)
メリュジーヌ・マヤンス (Sarah Starzynski)
ニエル・アレストラップ (Jules Dufaure)
エイダン・クイン (William Rainsferd)
フレデリック・ピエロ (Bertrand Tezac)
弟との約束を守りたい一心で鍵を握りしめ、迫害の地獄絵を生き延びようとする少女が背負ったあまりにも残酷な運命に胸の奥をえぐられるような衝撃を受ける。さらに、たとえ幸せな家庭生活を壊す事になっても真実を追究せずにはいられないジュリアが、一人の人間として選び取って行くひとつひとつの決断も、実力派女優クリスティン・スコット・トーマスの好演もあり、観る者の心に強く訴えかける。彼女と共に悩み深く考えさせられるはずだ。タチアナ・ド・ロネの同名ベストセラー小説を原作に、脚本も手がけた監督ジル・パケ=ブレネールの見事な構成力が光る。本作は、第23回東京国際映画祭最優秀監督賞と観客賞をW受賞している。
●解説
1942年にパリで起きたユダヤ人迫害事件にまつわる悲劇を描いたタチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を映画化。出演は「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「Ricky リッキー」のメリュジーヌ・マヤンス。監督は、自らもユダヤ人の祖父を収容所で亡くしているジル・パケ=ブランネール。
●あらすじ
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらに、その一家の長女で10歳の少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて……。果たして、サラは弟を助けることができたのか?2人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が見出した一筋の光とは……?
011★★★★