映画『CUT』シネマート心斎橋
●スタッフ
監督 アミール・ナデリ
脚本 アミール・ナデリ
アボウ・ファルマン
青山真治
田澤裕一
製作 定井勇二
ショーレ・ゴルパリアン
プロデューサー エリック・二アリ
エンギン・イェニドゥンヤ
レジス・アルノー
共同プロデューサー ビンセン・ラルニコル
キム・ジソク
デビット・コッタキオ
撮影 橋本桂二
美術 磯見俊裕
録音 小川武
整音 横山昌吾
照明 石田健司
編集 アミール・ナデリ
特殊メイク 梅沢壮一
●キャスト(役名)
西島秀俊 (秀二)
常盤貴子 (陽子)
菅田俊 (正木)
でんでん
鈴木卓爾
笹野高史 (ヒロシ)
イラン出身の映画監督アミール・ナデリが、西島秀俊を主演に迎え、日本を舞台に撮影した本作。マーケティングに基づいたエンターテインメント映画があふれる現在の映画界への強烈な怒りが伝わってくる作品だ。自身の映画製作資金の借金のために兄を亡くした主人公の秀二は、その金を返すために殴られ屋となる。強烈なパンチを何発も浴びながらも、名画のタイトルを思い出して苦痛に耐える秀二の姿は、さながら映画の神に身を捧げる殉教者のようだ。ナデリ監督の映画への愛と怒りを体現する西島秀俊の演技は、観客を身震いさせる迫力に満ちている。劇中に差し挟まれた溝口健二黒澤明ら往年の名監督たちの映画の映像も素晴らしい効果を見せている。
●解説
「マンハッタン・バイ・ナンバーズ」のアミール・ナデリ監督が、名作映画へのオマージュを込めて全編日本ロケで撮影。兄の借金を返すため、殴られ屋となる売れない映画監督の姿を描く。出演は「蛇のひと」の西島秀俊、「引き出しの中のラブレター」の常盤貴子、「阿部定 最後の七日間」の菅田俊。脚本に「東京公園」の青山真治が参加。
●あらすじ
映画監督の秀二(西島秀俊)は、いつも兄から金を借りて映画を撮っていたが、どの作品も商業映画として映画館でかけることさえできずにいた。そんなある日、秀二は兄が借金トラブルで死んだという知らせを受ける。兄はヤクザの世界で働いていて、そこから秀二のために借金をしていたのだった。秀二は何も知らずにいた自分を責め、兄のボスである正木(菅田俊)から、残った借金額を聞かされる。しかし、俊二には金を返す当てもない。彼は、殴られ屋をすることで返済することを決め、ヤクザの事務所内で働く陽子(常盤貴子)と組員のヒロシ(笹野高史)を巻き込みながら、殴られ屋を始める。殴られるたびに自分の愛する映画監督たちが撮った作品を思い浮かべる秀二。だが、借金返済はそれほど簡単なものではなかった……。



読書「殺し屋 最後の仕事」ローレンス・ブロック 二見文庫
アイオワ州の切手ディーラーの店で、ケラーは遊説中のオハイオ州知事が何者かに射殺されたとのニュースを聞く。
引退を考えていたケラーが、アルと名乗る男の依頼を最後の仕事にしようと、アイオワにやってきたのが数日前。
やがてテレビに知事の暗殺犯としてケラーの顔写真が映しだされる。
全国に指名手配され、ドットとも連絡が取れなくなったケラーの必死の逃亡生活が始まった―濡れ衣をはらすため、そして罠にはめた男への復讐のために。
シリーズ最強と評価される傑作ミステリ。
引退を考えていたケラーのもとに殺しの依頼が。最後の仕事にしようと引き受けるが、実は彼を陥れるための罠だった。シリーズ完結作